老朽化モルタル補修補強
リバイバル工法(Revival Method)
【概 要】
モルタル吹付工は、一般的に、風化しやすい岩や風化して剥げ落ちる恐れのある岩、浸透水が法面を不安定にする場合
などに、風化や地表水の浸食・侵入を防止する目的で施工されます。モルタル吹付の老朽化が著しく進行すると、法面を
保護する機能が果たせなくなり、且つ、モルタル吹付自体が不安定になり、剥離・滑落・崩落が発生する恐れが生じるた
め、老朽化したモルタル吹付は、早急に対策工を講ずる必要があります。
従来は、老朽化した既設モルタルを剥ぎ取り、地山整形を行った後に再度モルタル吹付を施工する方法で行われていま
した。しかし、この場合、モルタル剥ぎ取り時に老朽化したモルタルが崩落する恐れや、既設モルタルを剥ぎ取った後、
地山がさらされることによる地山崩壊の危険性がありました。また、大量に発生するモルタル殻の産業廃棄物処理も問題
となっていました。
リバイバル工法では、これらの問題を解消すべく開発した工法であり、リバイバル工法を採用することで、より安全で
安心なモルタル吹付法面が再構築できます。
【特 徴】
@モルタルに繊維を混ぜて補強した繊維補強モルタルを使用し、老朽化した既設モルタルを撤去することなく、既設の上
部に吹き付けて再生復活させる工法です。
A既設モルタルを撤去する必要がないため、産業廃棄物の発生を抑えることができます。
B使用する繊維はポリプロピレン繊維とし、これにより通常のモルタルに比べて曲げ強度及び曲げ靱性に優れたモルタル
を生成することができます。
C新しく考案した「リンクボルト」(意匠登録第1488828号)を既設法面に設置し、新設する繊維補強モルタルと
既設モルタルの一体化を図ります。
D既設モルタル吹付の背面地山が風化等により緩んでいる箇所や、小規模な崩壊が考えられる箇所など、不安定化してい
る法面に対しては、崩壊対策として地山補強土工(鉄筋挿入工)で対策を行います。
E既設モルタル吹付と背面地山に空隙が生じている箇所については、既設モルタルと地山との密着性の改善を図る必要が
あるため空隙充填工を行います。
F標準的なモルタル吹付の機械配置と同じで施工ができますので、特別な機械は必要ありません。